コラーゲンから化石になった動物の先祖を調べる、恐竜もできる?

トクソドンとマクラウケニアはダーウィンがビーグル号探検の際に化石を発見した動物だ。

ダーウィンが南米で見つけた

南米が北米とつながって侵入した肉食猛獣により絶滅するまで南米で栄えていたことが知られている。この発見の経過などは彼のノートに詳しく、公開されている。いずれも他の大陸にないユニークな形をしている。ダーウィンを驚かせたことだろう。南米でしか化石が見つからないので、南米大陸が孤立していた時に生まれたと考えられていた。大陸移動のプロセスが分かってくると、アフリカの動物と共通した起源を持つとも言われるようになっていた。形からだけで先祖は完全には分からない。これまでDNA解析も時代が古すぎて不可能だった。今回紹介する英国・ヨーク大学からの論文はこの問題を化石に残されたコラーゲンのアミノ酸配列を解読して解決しようとした研究だ。

コラーゲンから先祖を調べる

科学誌ネイチャー誌オンライン版に掲載された。タイトルは、「ダーウィンが発見した南米有蹄類の進化起源を古代タンパク質から明らかにする(Ancient proteins resolve the evolutionary history of Darwin’s South American ungulates.)」だ。コラーゲンは構造上極めて安定なタンパク質となっている。骨に大量に含まれている。研究グループは古代のDNAを解読しようとしていたが、技術の改良で解決できるレベルではないと考えて、同じ骨に残るコラーゲンのアミノ酸配列を調べて動物の関係を解き明かそうとチャレンジしていたようだ。タンパク質はアミノ酸が並んだもので、このパターンを調べると、起源が同じ動物ならば、似た並び方をしていると考えるわけだ。結局アミノ酸の並び方を90%以上も特定することに成功している。

アフリカと無関係か

明らかになったコラーゲンの並び方を参考として、トクソドンとマクラウケニアの先祖を考えると、馬やバクなどと同じ仲間で、アフリカの動物との関係は否定された。コラーゲンだけで先祖は決まらないという見方もあるが、この論文は化石動物の解析を大きく前進させている。哺乳動物のほか、恐竜の骨も調べられるかもしれない。この将来性からは夢が生まれる。

文献情報

Welker F et al. Ancient proteins resolve the evolutionary history of Darwin’s South American ungulates. Nature. 2015 Mar 18. [Epub ahead of print] [blogcard url=”https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25799987″] [/blogcard]

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